「俵物三品聖地巡礼」特設ページ

俵物三品とは?
俵物とは、江戸時代中期に中国向けに輸出された日本の海産物のことです。特に「乾鮑(アワビ)」「鱶鰭(フカヒレ)」「煎海鼠(ナマコ)」の3つが「俵物三品」と呼ばれ、清(中国)の王族や富裕層向けの高級食材として高値で取引され、貴重な日本の輸出品として重用されていました。
当時、日本では金や銀が通貨として使用されていましたが、その流出が深刻な問題となり、代替策として俵物が通貨として用いられていたという歴史があります。特に気仙地方(現在の大船渡周辺)の俵物三品は品質が良く、高く評価されました。また、江戸時代には新たな海運ルートが開発され、運輸業が活発化しました。造船業も盛んだった大船渡では、当時の代表的な大型木造船「千石船」が建造され、地域経済の発展に貢献しました。
このように、気仙地方は高品質な海産物の産地として、また優れた造船技術者を輩出する地域として、江戸時代の日本経済を支える重要な役割を果たしていたのです。

鮑は、古代から不老長寿や美容に効果があるとされ、日本や中国で珍重されてきました。
日本では平将門や徳川家康などの武将が出陣前の儀式で食し、中国でも秦の始皇帝や楊貴妃が健康や美容のために愛用していたと伝えられています。
栄養価も高く、タンパク質やミネラル、アミノ酸が豊富で、美肌や疲労回復、高血圧予防などの効果が期待されます。
特に、大船渡産の「吉品鮑」は江戸時代から最高級品とされ、中国の皇帝にも献上されてきた歴史があり、今でも香港や中国で高価な食材です。日本国内で入手するには一度輸出されたものを逆輸入する必要があり、極めて高級な食材となっています。

鱶鰭は中国の三大珍味「参・鮑・翅」の一つで、西太后が好んだ高級食材です。
中国では鱶鰭を贈ることが誠意を示す方法とされています。日本では気仙沼が主な生産地で、特にその加工技術が優れており、最高級品として評価されています。一般的には、ヨシキリザメやモウカザメなどのサメのヒレが使用されますが、1尾のサメからわずか1%ほどしか取れず、加工にも手間がかかり、乾燥させてからさらに調理が必要です。
鱶鰭も豊富な栄養素を含んでおり、免疫力アップや疲労回復、貧血予防、骨や歯の健康維持、精神の安定、老化防止、美肌効果などの健康効果が期待されています。

日本では生食が多い海鼠ですが、中国では乾燥させた海鼠が人気で、含まれる栄養素が高いことからも「海の高麗人参」とも呼ばれる高級食材です。
江戸時代から中国に輸出され、宮廷料理にも使われてきた伝統のある食材ですが、近年は健康志向の高まりから需要が再拡大しており価格も高騰しています。特に北海道産が最高級品とされており、青森産・三陸産が続いています。
栄養成分には、ナトリウムやカルシウム、コラーゲン、アミノ酸などが豊富に含まれ、疲労回復や美肌、生活習慣病の予防など様々な健康効果が期待されています。
千石船「気仙丸」の歴史と航路

気仙地方は、寒流と暖流が交わる三陸漁場に位置し、古くから漁業と造船が盛んな地域です。地元の良材を生かし、他地域の技術を取り入れることで、造船技術が発展しました。
平成4年には、「気仙船匠会」の手によって復元された千石船「気仙丸」が三陸博覧会に出展され、船尾構造の美しさから「和船の完成品」と称され、歴史的文化遺産として後世に伝えられることとなりました。
江戸時代、生活物資の輸送が増加する中で、千石船のような大型船が発展しはじめ、気仙丸が運航した「東廻り航路」は、大船渡(東北地方)と江戸を結び、当時の物流の大動脈となりました。
この航路は、俵物三品をはじめとする三陸の海産物を中心に、米や塩、紅花、絹糸などの供給ルートとして非常に重要な役割を担っていました。
東北の豊かな水産資源や農産物が江戸に運ばれ、江戸の消費市場を支えた一方で、江戸からは日用品や工芸品などが東北に供給され、相互の文化・経済交流が深まっていったという歴史も残されています。


ツアー工程・コンテンツ紹介
DAY 1
13:30
大船渡温泉集合 / オリエンテーション
14:15
気仙丸「俵物三品の歴史」を学ぶガイドツアー



16:00
乾鮑の加工現場見学



18:00
俵物三品の実食会 / 郷土芸能たらじがね演舞



※料理は研修中のイメージとなります。実際のメニューと異なる場合がございますので、ご了承ください。
20:00頃
宿泊(1日目終了)
DAY 2
8:45
大船渡温泉集合
9:30
俵物三品の運搬ルートを歩く文化体験@不動滝トレッキング



11:00
乾鮑の加工現場見学 / 養殖鮑場見学



13:00頃
ツアー終了
大船渡市へのアクセス
車でのアクセス

新幹線・バスでのアクセス

飛行機でのアクセス

大船渡のお土産に
味付煮あわび
(有限会社 田村蓄養場)

栄養豊富な三陸・岩手の海で育った、最高級品の肉厚な蝦夷あわびの味付煮。限定された11~12月に水揚げされた天然物のみを使用しております。解凍した汁を入れてごはんを炊き、後からスライスしたあわびを入れれば、手軽に絶品のあわびごはんを召し上がりいただけます。
2,380円(税込) / 約110g
あわびの精
(野村海産株式会社)

あわびの精は、三陸産あわびを加工する際に出る新鮮な肝を発酵させて仕立てたリッチな磯の旨みを堪能できる調味料(魚醤)です。
食品添加物を使用しない自然な風味で、三陸産あわびの肝の旨みと深いコクを手軽に楽しむことができます。
1,404円(税込) / 100ml
パンフレット
恋する旅行大船渡「俵物三品聖地巡礼編」のパンフレットは、日本語・英語・繁体字の3言語をご準備しております。下記ボタンからダウンロードしてご活用ください。
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